ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

2020-01-01から1年間の記事一覧

健康で文化的な最低限度の足るを知る生活

無理しなくていいとなるととことん無理をしない。ボクはそういう人間なのである。例えば昨日。多分目が覚めたのは10時過ぎ。まず布団と枕の間あたりにあるであろうスマホをまさぐり探し当てる。だらだらツイッターを確認しながら目が疲れたらまた二度寝す…

恥の多い生涯だけど人間合格!

覚せい剤取締法違反で懲役に行ったので、ボクは出所後二年間、精神保健福祉士、社会福祉士とは名乗れない。欠格事由ってやつだ。「国家資格を失効した場合、元精神保健福祉士と名乗ることはありなんだろうか」。そうつぶやいてみたら「元と名乗ることは恥ず…

祝!獣系マッチングアプリ卒業

あまりにも時間を持て余したので久しぶりにゲイ向けの某獣系マッチングアプリに登録してみた。切羽詰まっていたわけではないが、もしかしてという気持ちが全くなかったといえば嘘になる。(実際、年もサバ読んで入力してるし)。結果から言えば特に収穫はな…

マスクで息ができない

どうしても電車に乗らなくてはいけない用事があり最寄りの目白駅へ出向く。途中スーツケースをガラガラ押して歩く人をすれ違いながら「あーこの人は道中厳しい視線にさらされ、耐えてここまで来たんだなあ」って心の中で一方的にねぎらっていたら自分がマス…

いまボクにできること。それが生きるということ。

自粛中にパチンコに行くなんて愚か者だ。あけてる店もけしからん。だったら晒せばいい。背に腹。火に油。魔女狩り。さらし首。悪いのは政治だ。総理大臣がダメなんだ。ついでにその嫁もどうかしている。諸悪の根源はコロナだ。コロナは悪くない。責めるなら…

彼はどうだったんだろう(もしくは彼女は)

別に怒っているわけではない。どちらかといえば感謝しているんだ。 ことの発端はツイッターを介してのダイレクトメッセージだった。見知らぬアカウントからのそのメッセージをボクはSOSだと理解した。 ボクが収監生活についていろいろツイートしてたから…

奇跡の日

彼女が子供を連れて出ていった日のことはよく覚えている。あの日はちょうど年末の仕事納めで、新しく買ったマンションに両親と弟家族を招待していた。その頃には、もうけっこう確実に夫婦関係は破綻していて、もしかしたらという疑いもあったけど、まさかな…

収監ダイアリー

今年の1月1日からTwitterをはじめた。東京拘置所、八王子医療刑務所、府中刑務所の三か所の収監先で書いていた日記を少しずつTwitterに転記しようと思ったんだ。その五冊の収監ダイアリー。一度、高校時代からの友人にさらっと見せたことがあるんだが、ヤ…

OJT(オンザジャンキートレーニング)

誰しもその道で一人前になるには努力が必要だ。知識を学び、技術を習得し、価値を手に入れてこそいっぱしと呼ばれるようになる。覚せい剤も例外ではない。ボクがそれなりに覚せい剤を使いこなせるようになれたのも、巧く手ほどいてくれたスーパーバイザーの…

アイスピックと丸氷

とある福祉系の仕事をしている女性が言っていた。「別に悪口を言うつもりはないんだけど、福祉職の男性たちがぱっとしないのはなぜなんでしょう。同年代で“この人いいなあ”と思う人にほとんど会ったことがないように思います」だって。これ悪口じゃないって…

remote SMARPP(リモートスマープ)

ソーシャルディスタンス。誰かとの距離を常に2メートル以上保つことが今の日本における社会人としてのマナーになっている。依存症の自助グループもZOOMを使ったオンラインミーティングが活発化している。ボク自身はまだ活用したことがない。ひとり暮ら…

課題図書「手紙」

東野圭吾の「手紙」。殺人を犯した兄をもつ弟の苦悩。ざっくりいうとそういう物語なんだが、この本、新宿留置にも原宿留置にも東京拘置所にも、府中刑務所にも官本(貸出図書)で必ずあった。収容者のための指定図書にするつもりなのかというくらいにちょく…

サラシテタヨレ~ある日の分類面接より~

「どうやったらこれからの人生、覚せい剤をやめれると思うか聞かせてください」「嘘をつかずに生きていくことが大事だと思ってます」「これまでよく嘘をついてきた?」「大きな嘘とか誰かを騙したりだとか積極的な嘘はなかったかけど、小さな約束とか、例え…

オレたちはやればできる子なんだ

口内炎ができている。欲求のサイン。余震みたいなもんだ。ヤバイなあと思った。覚せい剤を使うのも好きだけど、覚せい剤について話すのも好きなたちだから自助グループなんかで語ることで欲求をガス抜きしていた。その会場が軒並み閉鎖となってしまっている…

河合香織の「セックスボランティア」を読んでみて

福祉の仕事をしてもう二十年。長くも短くもない年数であるが、まだまだ知らない分野があったのかという思いと同時に、いくらやりつくしても結局自分の世界なんてたかが知れているという事実をさとされた気分になった。 支援とは、ボランティアとは、性とは、…

傷つけた人たちへ

ブログにしかり、ツイッターにしかり、まあ9モンもいれておこう、そういうネットの世界に顔を晒していると思ってもないような再会がある。ボクの場合、依存症やらHIVやら前科やらもぶっちゃけてるんだが、海は広い、そんなに気にすることもなかった。き…

酒と覚せい剤とワタシ

アルコールが覚せい剤の再使用のハードルを下げるという事実は、依存症治療の現場では常識である。自助グループでも、アルコール自体が薬物というコンセンサスがあり、飲酒をスリップととらえる人もいる。ボクはというと…けっこう飲む。普通に飲む。誘われた…

自粛生活でやったこと

健全な人間は綺麗な部屋に宿る。いい機会だと思って部屋を徹底的に掃除した。って言っても普段から片付けはしっかりしてる方だしモノもあまりない。何よりうちは狭い。風呂トイレ水回り、二時間もかからずにピカピカに仕上がる。 学生時代の一人暮らしから就…

はじめてのSNSデトックス

世間が自粛自粛とうるさいので何をすればいいのかと思い、とりあえずパソコンで「自粛」という言葉の意味を調べてみた。「自分から進んで、行いや態度を慎むこと。」と説明してあった。こんなの毎日やっている。クスリをやめるための努力のことだろう?自粛…

ボクは東京が好きだ

「桜を見る会」からはじまり、「パンデミック」「クラスター」「オーバーシュート」とまだ三月なのに今年の流行語候補は豊富だなあ(ボクの本命は「募っているが募集はしていない」)って思っていた矢先にまたまた新語「ロックダウン」だって。東京が封鎖さ…

おくらいり

刑務所で書いていたノートをたまに読み返す習慣がある。忘れてしまった記憶がそこには残っているから。ふとめくったページに目をとめる。出せなかった手紙の下書きだった。どれどれと読んでみた。...それがあまりにあんまりだったんでここに転記してみる。 …

ピアサポートを高らかにうたってみた

ボクはこれまで障害者のピアサポートに対して熱心なタチではなかった。当事者同士のサポートという隠れ蓑を使って、支援者が当事者を巧く安く都合よく利用しているだけなんじゃないかと懐疑的ですらあった。(今もそういう気持ちはある)。ビジネスの匂いが…

思い出しただけ

一番古い記憶って何だっただろうと思い返してみた。きっとまだ歩くのもよたよたしてた頃の話。どこかのアスレチック公園みたいな場所の大きな太い縄でできたピラミッドを網目に足をとられながら転がるように登る。頑張るとかでもなく、なんとしてでもとかで…

まだ体だけだから

少し暖かくなってきたなあと思ったてたら、週末に雪が降って、昨日もまだ風は冷たかった。冬が好きじゃない。寒いと自分を守るので精一杯になる。尾崎豊はヒットスタジオで「太陽の破片」を熱唱してカムバックしたし、マッキーの復帰作のタイトルは「太陽」…

ホワイトデー

刑務所にいたとき薬物の離脱指導プログラムというのがあった。薬物事犯者数名を集めてのグループワークである。思ったことを素直に口にしていい守られた場所と時間だった。最後のセッションの最後の最後の質問で「社会がどんな場所であったらあなたは安心し…

長谷川先生が認知症になった

病院の会計の待ち時間が60分と出ていて軽く眩暈を覚える。席を探す。このご時世、しかも病院なのに、どうして同じところに固まってみんな座るんだろう。ちょっと奥に行けば席はたくさん空いているのに…。 席は空いているのに集まって座るこの高齢者たちと…

いつかの認知症介護指導者養成研修

その出会いがなかったらきっと今の自分はないであろう。人生にはそう思えるような場面が何度かある。ボクの場合、認知症介護指導者養成研修がそのひとつだ。あのころは認知症でなく、まだ痴呆と呼ばれていたんじゃないかあ。この研修は、認知症実践研修を中…

なんとなくシンクロニシティ

映画でも小説でも逃避行モノが好きだ。「テルマ&ルイーズ」とか「トゥルーロマンス」とか、邦画だと「風花」とか。だからなのか自分もジプシーのような生き方になってしまっている。ちょうど今読んでるのもそんな感じのやつ。絲山秋子の「逃亡くそたわけ」…

ナカユクイ

ダルクを休んだ。理由らしい理由はない。雨降ってるし、なんかだるいし、かったるいなあってそんな感じ。言い訳を考えもせず、休みますとも連絡せず、ただ休んだ。つまりサボりだ。このことをどう評価すればいいのだろう。 12月から三か月はやめずに通うと…

RUSH裁判を傍聴してきた

官公庁エリアに入ったってことは景色から色が少なくなるのと、直線でできた大きな建物が増えてくるのですぐにわかる。裁判所なんてその代表ともいえる。ルールで成り立っていますと建物が主張してくる。おかげで迷わず千葉地裁に来ることができた。 RUSH…