ホワイトデー

刑務所にいたとき薬物の離脱指導プログラムというのがあった。薬物事犯者数名を集めてのグループワークである。思ったことを素直に口にしていい守られた場所と時間だった。最後のセッションの最後の最後の質問で「社会がどんな場所であったらあなたは安心して出所していけますか」と問われた。実に法務省っぽい硬い質問だ。ボクは熟考して答えた。「３月１４日のホワイトデーを祝日にして、白い粉の日ってことでこの日だけは覚せい剤を解禁にしてほしいです」意気揚々と答えた。…刑務官も教育指導員もドン引き。ボクだけレスポンスのコメントなし。何でも言っていいんじゃないのかよ…。一緒に参加していたメンバーに後で愚痴ったら「＠＠君、ＴＰＯってあんだからね」と諭された。

ＴＰＯかー。ちがうんだよなー。ＴＰＯはよくわかってる。わかった上でどこか試してる。ここまでいったらアウトだろう。こういう態度だったらもう見切ってくれるだろうって。スリップを打ち明けて職場をやめるはめになったときも、かんべんしてくれよって思いながら、そりゃそうだよねって風にどこか冷めてたような気がする。

ミーティングで話した後、素直で正直でおもしろいよねって言われるけど、ウソはついてないけど結構練りに練ったつくりものなんで、どう反応していいか困る。これを素直で正直でっていってしまっていいのだろうか。ボクがただ面白く語りたいという気持ちにだけに素直なんだ。

信頼関係ってなんだ？縛りあいか？バッテン（✖️）みたいに貫き合うことなのか？信頼したい側と信頼されたい側、双方の歩み寄りの間に信頼がある。信頼してもらいたい側だけに努力をかすのはおかしいんじゃないか。信頼関係が自分の人生の役に立っているという実感はいつ得れるんだ？未来の約束は嫌いだ。動けなくなる。もう疲れたよ。

誰かの信頼を得るためにクスリをやめるのはもうやめた。上手くいかなかったとき、その相手を恨んでしまうから。覚せい剤は自分のためにやめる。以上。何か問題ありますか？

問題はない。自分のためにためるのは何も問題ないけれど、自分だけでやめようとしないようにね。それだけはよろしくね。以上。

３月の雪が降る僕らのラストシーズン♩