ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

サラシテタヨレ~ある日の分類面接より~

「どうやったらこれからの人生、覚せい剤をやめれると思うか聞かせてください」
「嘘をつかずに生きていくことが大事だと思ってます」
「これまでよく嘘をついてきた?」
「大きな嘘とか誰かを騙したりだとか積極的な嘘はなかったかけど、小さな約束とか、例えば時間を守るとか、セクシャリティなんかの大事なことを黙っておくとかそういう消極的嘘ってのはいつもでした。というかそれを手段にこれまで生きてきましたから。そういう小さくてもささいなことをひとつひとつきちんと守ることができれば大きく道を踏み外さなくなるんじゃないかと…」
「…続けて」
「それと正直さですかね。自分について隠さず晒せるところは晒していくことも大切なんだと気づきました。HIVもLGBTも自分がそうだということを伝えると、その相手を驚かして期待を裏切ることだと思っていたのでどこまでも隠しきることが当たり前だと思っていました。それがかえって自分を袋小路に追い詰めてしまってたってことはこんな風になってしまってやっと気づいたというか…結局、隠しきれず周りに迷惑をかけることになったし…。クスリについてもそう、どうしても使いたくなったときにその衝動とか辛さを外にださなければ誰も手助けしてくれるはずもないんですよね。打ち明けてこそ「じゃーどう対処しようか」という相談に展開しているわけで、一人じゃ太刀打ちできないことは学んだんでちゃんとSOSを出せるようになりたいです」
「できそうですか」
「正直なところわかりません。これまでやってみようと思ったことすらなかったですし…。ただ長く嘘をつき続けていると、いつそれがバレてしまうか、バレてしまったらどうしようとどんどん怖くなってしまいます。黙っていても誰かに知られなくても嘘はいつまでも消えるなんてことはありませんし。逆にどんどん自分を傷つけるようになってきます。命懸けで隠し通してきたけど、騙し通せる真実なんてそうそうないんでしょうね」
「体質的に嘘に向いてないってのもありそうですね」
「(笑)それは今回気づきました。これまでは自分は嘘の才能があるって思ってましたから」
「いろいろとよく考えられてると思います」
「まあ時間だけはたっぷりありましたから」
「素直で正直に生きる@@さんを期待しています」
「ありがとうございました」

こんなもんでどうかな。

 

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明治神宮にて。日没間際、物の怪につかれないよう駆け足で退散。