ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

自粛生活でやったこと

健全な人間は綺麗な部屋に宿る。いい機会だと思って部屋を徹底的に掃除した。って言っても普段から片付けはしっかりしてる方だしモノもあまりない。何よりうちは狭い。風呂トイレ水回り、二時間もかからずにピカピカに仕上がる。 学生時代の一人暮らしから就…

はじめてのSNSデトックス

世間が自粛自粛とうるさいので何をすればいいのかと思い、とりあえずパソコンで「自粛」という言葉の意味を調べてみた。「自分から進んで、行いや態度を慎むこと。」と説明してあった。こんなの毎日やっている。クスリをやめるための努力のことだろう?自粛…

ボクは東京が好きだ

「桜を見る会」からはじまり、「パンデミック」「クラスター」「オーバーシュート」とまだ三月なのに今年の流行語候補は豊富だなあ(ボクの本命は「募っているが募集はしていない」)って思っていた矢先にまたまた新語「ロックダウン」だって。東京が封鎖さ…

おくらいり

刑務所で書いていたノートをたまに読み返す習慣がある。忘れてしまった記憶がそこには残っているから。ふとめくったページに目をとめる。出せなかった手紙の下書きだった。どれどれと読んでみた。...それがあまりにあんまりだったんでここに転記してみる。 …

ピアサポートを高らかにうたってみた

ボクはこれまで障害者のピアサポートに対して熱心なタチではなかった。当事者同士のサポートという隠れ蓑を使って、支援者が当事者を巧く安く都合よく利用しているだけなんじゃないかと懐疑的ですらあった。(今もそういう気持ちはある)。ビジネスの匂いが…

思い出しただけ

一番古い記憶って何だっただろうと思い返してみた。きっとまだ歩くのもよたよたしてた頃の話。どこかのアスレチック公園みたいな場所の大きな太い縄でできたピラミッドを網目に足をとられながら転がるように登る。頑張るとかでもなく、なんとしてでもとかで…

まだ体だけだから

少し暖かくなってきたなあと思ったてたら、週末に雪が降って、昨日もまだ風は冷たかった。冬が好きじゃない。寒いと自分を守るので精一杯になる。尾崎豊はヒットスタジオで「太陽の破片」を熱唱してカムバックしたし、マッキーの復帰作のタイトルは「太陽」…

ホワイトデー

刑務所にいたとき薬物の離脱指導プログラムというのがあった。薬物事犯者数名を集めてのグループワークである。思ったことを素直に口にしていい守られた場所と時間だった。最後のセッションの最後の最後の質問で「社会がどんな場所であったらあなたは安心し…

長谷川先生が認知症になった

病院の会計の待ち時間が60分と出ていて軽く眩暈を覚える。席を探す。このご時世、しかも病院なのに、どうして同じところに固まってみんな座るんだろう。ちょっと奥に行けば席はたくさん空いているのに…。 席は空いているのに集まって座るこの高齢者たちと…

いつかの認知症介護指導者養成研修

その出会いがなかったらきっと今の自分はないであろう。人生にはそう思えるような場面が何度かある。ボクの場合、認知症介護指導者養成研修がそのひとつだ。あのころは認知症でなく、まだ痴呆と呼ばれていたんじゃないかあ。この研修は、認知症実践研修を中…

なんとなくシンクロニシティ

映画でも小説でも逃避行モノが好きだ。「テルマ&ルイーズ」とか「トゥルーロマンス」とか、邦画だと「風花」とか。だからなのか自分もジプシーのような生き方になってしまっている。ちょうど今読んでるのもそんな感じのやつ。絲山秋子の「逃亡くそたわけ」…

ナカユクイ

ダルクを休んだ。理由らしい理由はない。雨降ってるし、なんかだるいし、かったるいなあってそんな感じ。言い訳を考えもせず、休みますとも連絡せず、ただ休んだ。つまりサボりだ。このことをどう評価すればいいのだろう。 12月から三か月はやめずに通うと…

RUSH裁判を傍聴してきた

官公庁エリアに入ったってことは景色から色が少なくなるのと、直線でできた大きな建物が増えてくるのですぐにわかる。裁判所なんてその代表ともいえる。ルールで成り立っていますと建物が主張してくる。おかげで迷わず千葉地裁に来ることができた。 RUSH…

ある勇敢なアディクトの話

深夜0時も過ぎた頃、友人から炭良ホルモンに行こうか逡巡しているというLINEが入る。今からだそうだ。先日のこのブログの記事を読んで食べたくなったらしい。ばあちゃんとのいい話だったのに...そこ?LINEのやり取りが終わった刹那、無性に肉が恋し…

ノンケの仮面 おまけ

仮面ネタをもうちょっと。 ゲイにかぎらず誰だって仮面をかぶって生きている。ある程度の仮面や嘘は生きるためのエチケットやマナーともいえる。いつでもどこでもすっぴんの人がひんしゅくであるように。 だけど本来とは違う別のセクシャリティの仮面をかぶ…

ノンケの仮面

仮面と聞いて何を想像するのだろう。北島マヤ、麻宮 サキ、少年隊、オペラ座の怪人、残酷な神が支配する、スケキヨ…ってラインナップがオカマだなあ。 気持ちはバイなんだけど、体はゲイで、女性とはご隠居(男性ともご無沙汰だけど)、これからはもうつきあ…

感動ポルノ

清原選手だとかタレントの高知さんとかスネに傷を持つ有名人を一堂に集めた依存症の啓発イベントを見た。回復を語って、笑って、歌ってみんなよかったねって、なんかこれ夏の終わりのあの感動ポルノ番組っぽくないか。これでいいのか。あそこを目指している…

けやきの散歩道

「けやきの散歩道」というラジオ番組がある。知る人ぞ知る幻のプリズンステーション。府中刑務所の矯正指導日に長谷川理沙アナウンサーと調布エフエムのディレクターによって放送される月に一回一時間のラジオ番組のことだ。きっと番組タイトルは府中の木「…

節子

出所の日、刑務所には誰も迎えに来なかった。その日出所するのは十人以上いたが迎えがないのは自分だけだった。仮釈放の場合、出たその足で保護観察所に出頭すべしというルールがある。仮釈で迎えのない者はそのままどこかに行ってしまわないように北府中駅…

風評エイド

二週間ぶりのダルク。雨だから自転車で行けない。電車に乗んなきゃいけない。まだたまにゴホゴホやっちゃうんで苦肉の策、手作りマスクの着用。なかなかの出来。つけたてはマジックのシンナーの匂いでちょっとくらくらする。RUSHっぽくていい感じにフラッシ…

依存症について語るとき僕の語ること

やっぱり村上春樹いいよ。「走ることについて語るとき僕の語ること」。まだ半分しか読んでないけど。すごくいい。 「走ること」を「ミーディングに通うこと」に、「小説を書くこと」を「クスリをやめること」に、それぞれ置きかえて読んでいくと、ページをめ…

村上春樹

好きな四文字熟語と問われたら「村上春樹」と答えるくらい彼の書くものが好きだ。昔からというわけではない。流行っているからという理由で「海辺のカフカ」と「1Q84」くらいは読んでいたが、そんなに熱心な読者ではなかった。はまるきっかけは刑務所の…