ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

remote SMARPP(リモートスマープ)

ソーシャルディスタンス。誰かとの距離を常に2メートル以上保つことが今の日本における社会人としてのマナーになっている。
依存症の自助グループもZOOMを使ったオンラインミーティングが活発化している。
ボク自身はまだ活用したことがない。ひとり暮らしだし、誰かに気兼ねすることもないんだがどうも気がすすまない。家にリハビリを持ち込みたくない。画面越しに自分のプライバシーをあらわにしたくない。この部屋でクスリ使ってたんだとか誰かに思われるなんて嫌だ。そんな色々が二の足を踏ませる。もしかして食わず嫌いなのかもしれないけど。

病院の離脱プログラムは参加者とスタッフで二十人近くになる。一部屋で行うとなれば机をとっぱらっても濃厚接触は避けられない。今日とうとうオンラインが導入された。二つの会場に分かれてスクリーン越しにやりとりをするといった具合だ。みんなは「リモートスマープ」と呼んでいた。
やってみて…やっぱり何だかちょっとどうも…苦手だ。
レスポンスのズレ。温度を感じれない表情。
空気の揺れない笑い。そのくせ沈黙は目に見えるみたいに重い。ハートを強く(麻痺)させなきゃいけない。

「今どこ読んでるん?」とかいった隣の人とのひそひそ話だとか、ちょっとあのスタッフさん今日かったるそうにしてるなあとか、そういうとこも全部含めてのグループワークなんだと思う。日頃、間だとか空気感だとかを無意識にすごく意識して生きていたことがわかった。

全く違うものなんだと思う。通信速度が快適化されてどんなにスムーズになってたとしても、解析画像が改善されいくら鮮明になったとしても、オンラインでの会場同士やり取りが、これまで一か所に集まってなされていたものと物理的に全く違わなくなったとしても、やっぱり違うんだと思う。エアーのコミュニケーションとリアルなやりとりは同じにはならない。コンドームを使ったセックスと生交尾くらいの差があるんじゃないか。(どちらもメリットデメリットがある)。
電子書籍が紙の本とは別物として世の中に浸透していったように、オンラインの世界も手触りのある現実世界とは別物としての進化していくんだろう。どちらかがどちらかの代わりになることはできない独自のツールとして発展していくしかないんじゃないか。

制限されることで新しいやり方が生まれる。
コロナ終焉後の世界はこれまでときっと違ったものになっているはずだ。
そこに適応できるか、はたまた淘汰されるか。ボクは何を選び、そして何を選ばないんだろう。

 

 

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婚活のお見合いもオンラインが主流になってるんだって。