ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

親への手紙 その32

元気ですか。今日は中庭は芝刈りだったので土と草の匂いが日中病舎中にただよっていました。今は日が暮れ雨が降って少し肌寒いです。先週から衣替えとなりランニングシャツのみで大丈夫になったんですが夜はさすがに舎房着をはおります。体調は問題なくフィ…

委員面接がやってきた

朝一、作業始まる前に独房が開錠される。何の用件かは後で説明するといわれ連行される。が、仮面のときと同じこの茨城なまりの刑務官だし、今から本面なんだってことはバレバレだ。待ちに待ったその日は今日だった。ブラボー!平衡感覚を奪うようなこの長い…

弁護士のH先生への手紙 その2

春も終わりかといって夏でもなく梅雨にはまだ早い。ただただ緑の逞しさが目にまばゆい季節です。二年前の5月の最終土曜日に逮捕されて、その翌々日の月曜に裁判所で先生と初めてお会いしてから今日で丸二年になります。目を細めて「あ~色々あったね」と懐…

ある日の診察②

定期診察のため病舎の他の四人ともに連行される。前回は1月末だったから約四か月ぶりだ。頭の中で質問事項を確認しながら待合室にてしばらく待機する。一般受刑者や病舎三階の人もいる。どうしてかわからないけどHIV患者はなんとなくわかる。 呼び出され…

親への手紙 その31

お元気でしょうか。ゴールデンウィークも終わりいつもの日常が始まりました。四日休んだだけなのに袋折りの作業で指がつりそうです。この一年で指の腹と掌が大分厚くなった気がします。手紙と本をいつもありがとうございます。それとIWさんへの贈り物も。…

仮面(カリメン)の男

運動中「687番」と呼び出される。「何かやったんじゃねーか」とのからかいに「いや心当たりないっす」と言いながら心の中はすわ分類面接かと色めき踊る。刑務官の「一名、分類連行します」との大声に「ビンゴ!ヨッシャ!!!」とこころの中だけではしゃ…

ITさんへの手紙 その17

隣のげっぷがひどい。隣の部屋のドラゴンタトゥーのオヤジが吐き出すげっぷがひどいんです。これは~なんっていうか...そう!まさにウシガエル。終日ドルビーサウンドで休日の静寂をおかしてきます。喉の奥の方に何匹か飼ってんじゃないか。花火大会のクライ…

MTさんへの手紙 その10

時が流れるのが遅すぎて吐きそうだ。ぐんぐん走るミジンコ型の雲だけが、世界は止まっていないことを教えてくれます。何があっても前向きにふるまおうとどこかの時点で決めてから、喜怒哀楽は常時「楽」に設定だったはずなのに、今日は祝日「哀」モード。イ…

雇用主への手紙 その16

ゴールデンウィークも折り返しに入りました。さわやかな風が吹き、けやきがざわめいています。塀の向こうのグラウンドでは今日は少年野球の練習試合のようです。連休はいかがお過ごしでしょうか。みどりの日。ここでは祝日祭といって祝祭日にはおやつが提供…