ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

2018-01-01から1年間の記事一覧

safe & sound

ヤク中になる理由なんて十人十色人それぞれ。 だけど行き着く先はやめるかやめないかのどちらか二択。 だけどやめる人たちの集まりなのに、やめれない人の話も受け入れる。 冷静に考えたら大した話だ。 懐の大きいシステムだ。 誰からも決して許されないヤク…

NO PAIN , NO GAIN

梱包されて配送されてきたアイアンのテレビボードが開封時に足の指に落ちてきて激痛! しばらく動けず。涙をためてこの大きな痛みの波が去ってくれるのをただただじっと耐え忍ぶ。 本当に痛いときって一歩も動けない。人の体ってそういう風にできてるんだろ…

ボクは東京が好きだ

精神科(医療現場)では患者の病、障害の部分(健常とのズレ)をいち早く察知できる能力に秀でた職員が有能であると評価される。そういった環境で過ごすうちに自ずと医療職でないPSWも(PSWも医療職だという意見もあるのかもしれないが)我先にと患者…

おろしの達人

NAのミーティングはホワイトブックレットの読み合わせの後「何かおろしておきたいことがある方?」という司会者からの問いかけから始まる。 おろす? 下ろす?降ろす?卸す?堕ろす? 精神的にモヤモヤしていることを話し、分かち合い気持ちの棚卸しの作業…

ボクの義務

診断書を見ながら思う。 知的障害、身体障害は「できること」と「できないこと」がはっきりしていてわかりやすい。 精神障害は「出来る時」と「出来ない時」とがあるのが特徴と言える。 依存症はどうだろう。 「回復したい気持ち」と「回復したくない気持ち…

ファイナルアンサー

先月刑務所から出てきて、二年ぶりにシャバの空気を吸って選択肢の多いこの世界にワクワクしっぱなしっだったんだけど、その中でもやっぱり一番の楽しみはクスリだった。 刑務所の中で、塀のあっちとこっちを何度も出入りしている薬物の先輩方が「出てからの…

世の中の大切なことは覚せい剤が全部教えてくれた

覚せい剤について考えることは自分の生きる意味について対峙することに近い。 生きることを知るにはうってつけの命題である。 三年前から日記をつけているが三年前に書いていたことを読み返すと物事の理解が何とも上っ面だけをなぞったぺらぺらなものである…

それでも部屋を借りました

保護会を出れることも、新居探しも楽しみなはずだったけど、結構しんどい現実が待ち受けていた。 なぜ入居を急いでいるんですか? ...保護会出て行かなければいけないんでって言えない。 どうしてT区にこだわるですか? ...障害福祉サービスの申請の関係で…

マッチ売りのポン中

NAで話をしてスッキリしたという人の話を聞いて本当かなあと思っている自分がいる。 打ち明けたって結局その瞬間スッキリした気がするだけだ。状況は変わらない。マッチ売りの少女じゃないか。クスリやってた時とおんなじ。かりそめの幻に惚けて野垂れ死ぬ…

反動形成

NAメンバーがバースデイを祝われるのを見て、「よかったよかった、おめでたい」と口にしながら、一方で「何年も我慢し続けてご苦労様です」とも冷めている。 うまくいかない日常の出来事をミーティングでおろす誰かに対して「そんなに辛いなら使っちゃえば…

Time has come

やめようなんて思わなかった。やめる必要性も感じなかったし。今わかるのは、ただやめたくないだけだったんだということ。 けれどやめなければどうしようもない場面が人生には何度かある。潮時とも言う。それを逃すと次の波がいつかいつ来るのかわからない。…

渇望君こんにちは

仮釈を受けてからここまで、テンポよく、問題なく、それこそ「順調」という言葉に相応しい生活(社会復帰の道)だったが、ここに来て躓く。 配達中、車線変更違反で違反切符を切られる。 “先日この先で死亡事故があったんで厳しく取り締まらせてもらっている…

やめたいやめたくない、結局やめれない病

「もう使いたい」から「やめてよかった」までの距離が果てしなく遠い。否、近すぎるのか? どうにか今日だけを乗り越えて、やれやれと気を抜いた次の瞬間、使ってやれと目論む自分がいる。 日々が積み重ならない。 薬との距離はいつまでも変わらない。 勢い…

アンチアンガーマネジメントマン

「こっちは立ってらんないんだ!今すぐもってこい!」いきなり怒りをぶちまけてくるお客もいる。刑務所生活で怒鳴り声には慣れてきたが、鉄格子なしの直の怒りはちょっと怖い。常日頃からこういう自爆的コミュニケーションのやり方をつら抜いている人なのか…

エンドレスラン

義足の人を通勤中に追い越す。 早く歩くことで見逃す景色がいくつもあると知りながら早足で追い越す。 こんなに急いで一体ボクはどこへ向かっているんだろう。

孝行息子

寝たきりの脳性麻痺の子供。 一口一口食事を両親に食べさせてもらっている。 もう一時間以上。 溺愛に近い密着度であるにかかわらず、溺愛してる風で無いところがいい。 ドライに愛している感じ。 食事が終わって、両親は何も言わずゆっくりコーヒーを飲む。…

獄友への手紙

元気ですか 収監中は手紙をどうもありがとう しばらく前に届いてたようだけどずっと領置されてたので実際に手渡されたのは仮釈の時でした 返事を書こうと思いつつもう一週間が経ってしまいました...すみません 先週の水曜日に無事に(?)仮釈をもらえて今は…

近況報告

出所してからそろそろ一週間です 手紙書こう思ったけど机に向かう時間も体力も夜には残っていないのでメールで失礼します 役所の手続きは、障害者手帳と福祉サービスがまだ終わっておらず(これはA区ではなくC市での申請になるらしいので)、今週中にC市…

絆ブロック

月に三回保護司さんとの面接。 二週に一回の精神科の診察。 月一回の保護会での離脱教育に尿検査。 職場の保護観察所のOBとの面談。 こんな感じのよく言えば守られた、 悪く言えば監視付きの環境。 これだけ手厚いフォローアップって恵まれてますねってよ…

出所のご挨拶

前略。 ご無沙汰しております。 お変わりありませんか? おかげさまで本日仮釈となりました。 思えば二年以上、先生にはお世話になりっぱなしでした。改めてありがとうございました。 今、保護観察所で仮釈者としても心得と作法を教わり一息ついたところです…

インディペンデンスデイ

朝、私物をまとめそれだけをもって領地調べへ向かう。なつかしの私服に着替えて荷物をもって貴重品とお金を受け取る。報奨金21,686円。領置金60,040円。計81,726円。一年半で二万円程度か…。人定確認をすませてそのまま仮釈許可書授与式。…

仮釈前の感想文に書いたこと(と書いてないこと)

収監生活の一年四か月。この間、ほとんどを病舎の単独室の中で過ごした。煩わしい人付き合いがなくてすむ反面、無性に淋しくなりひとりであることにうちのめされるようなことも何度かあった。そんなときの救いが手紙をくれる両親や友人の存在だった。自分は…

MTさんへの手紙 その12

暑いね。のんだ味噌汁がその場で塩味の汗になって流れ出てくる季節です。お変わりありませんか。こちらは…とうとう仮釈となります。その日は7月11日。ありがとう。ありがとう。いやいや、そんなそんな…恐縮っす。今は釈放予定者用の部屋に移って(なんと…

カウントダウン

熟睡できぬまま朝を迎える。担当が「準備できたか」と確認にやってくる。開錠され移送かと思いバッグを運び出そうとすると捜検だった。まぎらわしいなあ。捜検が終わりしばらくたって再度開錠される。今度は間違いなく移送のお出迎えである。担当台にて「お…

親への手紙 その34

本日転房となりました。仮釈前の受刑者用の部屋への転房です。来週の水曜、つまり7月11日朝一に出所予定となります。今回は確実な情報です。曖昧なまま仮釈放について書いてしまい心配をさせてしまったようでしてすみません。どんなことでも隠さずに教え…

弁護士のK先生への手紙

六月が過ぎるとそこは夏だった。猛暑がすでに炸裂しています。太陽に露出。筋トレの成果を発揮する季節がやってきましたがいかがお過ごしですか。こちらは暑いことは暑いですが、昨日今日と風があるのでなんとかしのげています。強い風を受けながらくりかえ…

OKさんへの手紙 その5

暑い…暑い、暑い、暑い。猛暑だとは聞いていたけど暑くなるのはきちんと夏が来てからにしてほしい。そんな風に思っていたんですが、もうすでの梅雨あけしてたらしいですね。どうりで…。お元気ですか。暑さでやせてませんか。こちらは…そろそろ仮釈となりそう…

プリズナーシンドローム

府中刑務所の仮釈放は毎週水曜日と決まっている。病舎の単独室収容者だとその一週間前の木曜に仮釈者専用の舎房へと転房となる。その転房の告知は前日の水曜日の集団運動後になされる。他の収容者を刺激しないためだろう。 今日は水曜日。病者のメンツはボク…

親への手紙 その33

梅雨に入り、降ったりやんだり落ち着きのない天気が続いてましたが、今日はきれいな青空です。雨のない六月のぬるい陽気にはついあくびがでます。あくびしてる場合じゃないんでしょうけど…。お元気ですか。こちらは特に変わりありません。仮釈については決定…

ITさんへの手紙 その19

時は過ぎ本日6月19日。梅雨の合間の貴重な青空がやや陰りはじめた午後六時。昨日お手紙を、本日三冊の本を受け取りました。ありがとうございます。手書きとワードのハイブリットレター拝読いたしました。こちらの日常が見えそうで見えないとのこと、確か…