ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

ファイナルアンサー

先月刑務所から出てきて、二年ぶりにシャバの空気を吸って選択肢の多いこの世界にワクワクしっぱなしっだったんだけど、その中でもやっぱり一番の楽しみはクスリだった。


刑務所の中で、塀のあっちとこっちを何度も出入りしている薬物の先輩方が「出てからの一発目が最高にいい」って口を揃えて言っているのを聞いて、「あと一回やってから本格的にやめよう」と誓う。

薬とセックスがセットである自分にとって懸念材料は自分がHIVの感染源になること。キメセクすると生がマストになってしまうから。

U=U「検出限界以下は感染しない」っていニュースは神の啓示、福音!

追い風を勝手に感じる。

 

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最後の一発。

失敗は許されない。

後悔したくない。

しっかり吟味して選び抜いた相手と一緒にキメなければいけない。

苦手なSNSを駆使するもなかなか見つからない。

9モンはスカした奴ばっかだし、tumblrは気狂いしかおらんし、オレにぴったりな丁度いい変態はどこにいるんだ?

疲れる。


そうこうしているうちに 病院、NAに通いだし、このハッテン場っぽいキャンドルの灯にもちょっと馴染んできて、やめる方が本格化してしまう。

奇跡のラストフライトは?

話が違う!

予定では最後の一回を使って燃え尽きて一点の曇りもないスッキリした心持ちでリスタートをきりたかったのに...

あーさっさとやっちゃえばよかった。

疲れる。


けどまだ後悔はしていない。後悔ならまだいい。後悔はもう使うことを諦めた者だけができるものだ。まだどこかで使ってやろうとする虎視眈々が自分にはある。

これがぶっちゃけだ。

 

右足を出した後に左足が続くように、「使いたい」「使えない」が交互に繰り返される。この繰り返しでここまできてしまった。

ほんとの気持ちがわからない。

 

そんな時は体に尋ねよう。

肩は凝っていないか、足はつらないか、まぶたの痙攣はないか、オレの体はまだ大丈夫なのかと。

身体は心よりもずっと正直でわかりやすくできているから。

今自分の足が自分の体をここ(ミーティング会場)に運んできているという事実。


もしかしたらオレは自分で思っているよりも、クスリをやめようとしているんじゃないか?