ITさんへの手紙 その19
時は過ぎ本日6月19日。
梅雨の合間の貴重な青空がやや陰りはじめた午後六時。
昨日お手紙を、本日三冊の本を受け取りました。ありがとうございます。
手書きとワードのハイブリットレター拝読いたしました。こちらの日常が見えそうで見えないとのこと、確かにそうでしょうね。ここにいるボク自身よくわかっていませんし。(笑)
刑務所ではどんなことをしているかは話せるけど、刑務所がどんなところなのかはうまく説明でない…。
三千人規模の刑務所でこの一年過ごしたけど、実際に言葉をかわしたのはほんの十数名。病舎独房の限界です。雑居や工場にこそ刑務所の醍醐味はあるのかもしれません。
花輪和一の「刑務所の中」がリアルな刑務所生活なんだと思います。刑務所にいながら漫画の世界にリアルを求めなければいけないほどここは隔絶されています。
とりあえず今日はダイソーのレジ袋のみやぎ県民共済のちらしを800枚封入する作業に没頭して大変疲れました。
早く梅雨あけないかなあ。その頃には囚人の役目も終わっているはず。届かぬものに思いを巡らし今を暇つぶす。そんな感じの毎日です。