ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

MTさんへの手紙 その10

時が流れるのが遅すぎて吐きそうだ。
ぐんぐん走るミジンコ型の雲だけが、世界は止まっていないことを教えてくれます。
何があっても前向きにふるまおうとどこかの時点で決めてから、喜怒哀楽は常時「楽」に設定だったはずなのに、今日は祝日「哀」モード。インガオーホリデイ。ゴールデンウィークも明日まで、もうひと踏ん張り。

連休いかがお過ごしですか。
こちらは、といっても目新しいことはなく…。何かあってぜひ知ってもらいたいと手紙に向かうのではなく手紙に書けそうなあれやこれやを探し回る風な毎日なので、連休中この半径二メートル未満の世界はネタ不足に陥ります。
ずっと本を読んでいますが、それも限界気味でページが重い。
言葉の胃袋がはちきれそうで吐き出さなければ新しい言葉が入らない。
心が便秘になんないようにペンをとりました。

あっそうだ。差し入れてくれた「話す技術聞く技術」クリアしました。
「これは使える」ってポイントが多くてよかったです。けどこの独房生活ではそもそもの活用の場面がほとんどありませんが…。
会話ってのは矢印のついたメッセージの応酬の中から正解を見つけ出す宝探しみたいなものだと思っていたけど、そうじゃなくてもっと立体的でもっと濃淡があって…う~んあー上手い例えが浮かばない。とにかく会話の中で解決を目指すのではなく、会話そのものが大きく動きうる自己表現のひとつなんだと。そして会話自体の意味をとらえなおすことで解決のあり方も変わってくるんだと。そんな風に解釈できました。まあできるかどうかは別ですが。
大体、一対一の場合だったらまだしも、グループになったらどうするんだとか、普段の会話のスピードの中でこんな熟考がはたして可能なのであろうかとか、そんな疑問もあるけれど、まずはトレーニングしてみようかと思っています。幸い「怒りでしか愛情を表現できない母親とその愛情にこたえることのできない息子」という事例が身近にあるもんでして。
こういう専門書を自分で選んで自分で購入して、MTさんちゃんとしてんなあ。
二十代のうちにどれだけ自己研鑽できたかがその後の成長を決めるとどこかで聞いた覚えがあります。大事にしてください。
MTさんは大学院とかは考えたことないの?オレは無理してでもいっとけばよかったなあと今後悔しています。

さて、今日は祝日なのでお菓子がでました。「ミニ黒棒」一袋。甘いものに飢えに飢えた体には癒しであり救いです。ひとつひとつ舌の上で味わい尽くして、どろどろにさせてからようやく飲み込みます。甘さに痺れる。美味しくて美味しくて震える。身もだえるってこういうことを言うんだろうなあ。

深刻に見えないからといって真剣でないと断じられるのは心外ですが、心底痛みきれてないようじゃ学びはしれているといわれると反論できない。ストイックに贖罪に対峙したいのについ「快」を探してしまう。そして見つけてしまう。理屈も整合性もなく「辛い」と「うまい」が同居するカオス。
いつかまたパクチー食べにいきたいね。
吐きそうだったのにいつの間にか食欲が復活したようです。哀モード終了。シンプルにできています。
さて本の世界にもどろうかね。ではでは、また。

 

f:id:ultrakidz:20200415234012j:image

おいしくておいしくてふるえる🎵