ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

弁護士のH先生への手紙 その2

春も終わりかといって夏でもなく梅雨にはまだ早い。ただただ緑の逞しさが目にまばゆい季節です。
二年前の5月の最終土曜日に逮捕されて、その翌々日の月曜に裁判所で先生と初めてお会いしてから今日で丸二年になります。
目を細めて「あ~色々あったね」と懐かしめるほど遠い昔話にはまだなっていませんが、なんだかんだで月日の流れを感じる毎日です。
特に報告事項があるわけではありませんが、二年目の感傷でペンをとりました。

先生はお元気ですか。ボクはあいかわらずです。
規則正しい生活に粗衣粗食、程度な労働がボクの健康を保障してくれています。
「これだけやればいい」と努力と成果の限界を与えられる生活というもの慣れてしまえば案外心地よいものです。
まあそうはいっても悟りきれることもなく目下関心事は「いつ仮釈になるのか」という煩悩なんですが。
仮釈の決定までには「仮面」「本面」と呼ばれる二度の調査面接をうけることになります。保護観察官に何から何まで聴き取られ、所内での処遇態度などを隅から隅まで調べ上げられます。先日その「仮面」が終わり、「本面」を今か今かと待ちわびています。
先が見えてきたのはうれしいんですが、見えた分、心がざわつきます。餌を前におあずけを命じられた犬のようです。悲しい目をしてよだれを垂らしながら、うーうー唸っています。いくらとりすまして達観を装ったところで早く出たいという気持ちを押し殺すのは難しい。
ここがつらいってことはこれまでが幸せであったことの証なんでしょう。
大事な気づきです。けど出たらすぐに忘れてしまいそうです。忘れないようにしたいです。

来月は先生の誕生日じゃないですか。一足早いですがおめでとうございます。よいバースデイを!
先生に、先生に出会えたことに、先生とまたいつか再会する日を期待できることに感謝。
ありがとうございます。
ではまた。お体に気を付けてお過ごしください。

 

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出待ちのパトカーにやられた思い出の場所。