ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

ネバーエンディングジャンキー~ひきがねと欲求〜

例えばある夜、ネタをひこうと売人に電話したところ今夜はどうしても手元になくて明日の夜だにしか渡すことができないと言われたとする。つまり使わないという選択をするために丸一日猶予を与えられたわけだ。ところがこうなったらもう何をしたところで止めることは出来ない。ご主人さまにお預けを言い渡されて、餌を前に涎をたらしながらうーうー唸っている犬を想像してほしい。ああいう感じになってしまう。約束の時間まで時計の針が進んでいくのをただ待つだけの生き物になる。
どうすればいいかって離脱プログラムのテキストにはこんな対処法が書いてある。

「クスリに関係のない映像を頭に浮かべる」…いや無理でしょ。
「輪ゴムパッチン」…子供だましか。
腹式呼吸」……。っでって感じ。
「誰かへのSOS」…この状況から救ってくれるのは売人だけだと思う。
思考ストップ法と言うんだって。でも思考を止めようと思うとどんどん欲求が加速していく気がしてどうもボクには合わない。そして薬物依存治療の最先端のスマープでさえもゴムパッチンって…。この病の底の深さというか闇の暗さをつきつけられた気分にさせられる。
自分でも「逆立ち」とか「マスターベション」とか「満腹」とか「爆買い」とか…それなり使用回避のための自助努力はしている。だけど猫に小判焼け石に水。欲求に理性。使いたいって気持ちが根底にあるから自分に対して手加減してしまうんだと思う。
それに加えて体質問題。どうしても我慢できない症候群なんです。小学生のときからそうだった。校内にある火災非常ボタンをじっと見てしまうともう我慢できない。Can't stop fallin in  button いつも押してしまう。もちろん大騒ぎになる。そのたびに友達は減っていく。それでもやめれない。ひきがねに取りつかれてしまう体質なんだと思う。
そうなる前になにかきっかけがあったはずだとよく言われるけれど、それがあまりわからない。ほんと突然雷に打たれるみたいに欲求はあらわれる。
薬物依存症の治療ってそのひきがねってやつを探し続ける旅みたいなもんなのかなあ。見つけても取り憑かれてりゃあ話になんないんだけど...。今日のスマープはなんだかみんな暗かった。
帰りに「お大事に」とスタッフから声をかけられた。そうだよなあ、もっと自分を大事にあつかってあげなきゃなあ。

 

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スマープオリジナル刻印入りゴムパッチン!