ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

薬物依存離脱教育指導実施プログラム その1

府中刑務所
薬物依存離脱教育指導実施プログラム 全5回   第一回
教育部の男性2名 女性心理士1名
毎週火曜9:30~11:00 病舎二階5名(HIV、ゲイクローズド)

参加しての感想をひとりでブレーンストーミングしてみた。
・迷惑をかけてしまったことについて(逮捕されてことについて)は後悔しているが、根本の覚せい剤がどうしていけないのかということについてはよくわかっていない。どこかもし違法でなく周りに迷惑でないような使いかたができるのであれば問題ないでしょうという気持ちはある。
・罪(犯罪行為)という視点と疾病という視点の二つのアプローチで離脱をめざせるのにどちらにもストイックに向き合えない。つい司法モデルのあらを探して、それをやめれない言い訳につかってしまう。(「依存症の理解のない社会がオレを孤独にさせて、だから覚せい剤に逃げるしかないんだ」という風に。)
・何があってもなんとかなるもんだと思う。
オーバードーズで錯乱してひどい目にあったって話を聞くけれど、そのくらい本気で怖い目にあえればちょっとは価値観もかわったんだろうけど、自分にとってはいつでもクスリはいいものだった。
・薬中患者は頭でっかちで弁は立つけど行動が伴わないというイメージであまり近づきたくない存在だったが、いつのまにか自分がそうなってしまっている。
・「回復」という命題について考える時間が与えられるのはありがたい。これはある程度強制力のある中でないと難しい。
覚せい剤を使ったことのない人に(多分)受け入れてもらえる体験は初めてだった。(経験者は共感できて当然なので。経験者ですら共感できないときもあるのに)。
覚せい剤は忌み嫌うだけの存在ではない。どうしようもないあの頃の自分を救ってくれた命綱であったことは間違いない。
覚せい剤のせいで限界に気づけなかった。
・使うこともだけど、クスリについて考えたり話したりするのも楽しい。
・使い始めたとき、最悪刑務所行きだとイメージしていた。だから今の自分はある程度想定内。けどこれ以上(以下?)に身を持ち崩した自分の姿はわからない。その恐怖がやめようとするモチベーションになるのかもしれない。
・クスリを使わない人生よりもこんな状態になってしまっても、クスリを使う人生も悪くはなかったと思っている自分もいる。
・これだけ覚せい剤について熟考してんだから今だったらもっとうまく付き合えるかもしれない。
・薬物依存症同士だと「皆まで言うなわかるわかる」という感じで共感しやすい。
・「やめる」という言葉は白々しい。けどそう言い切れる人がうらやましい。
・刑務所内は危機感が得にくい。危機感がないのでどうにかしようと切羽詰まれない。
・もうクスリだけに身を捧ぐ人生を生きたいと思う自分もいる。
・クスリについてだったらいくらでも言葉が出てくる。

 

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