ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

RUSH裁判報告会に参加してみた

ぷれいす東京に行ったときに黄色いフライヤーをみつけ、そこに知り合いの弁護士の名前があったので、新年の挨拶がてら行ってみることにした。

 

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RUSH世代(そういう世代があるかどうかは知らないが)を過ごしてきたゲイであり、RUSHがどういうものか体で理解しているので、規制が決まったときも、「そんなRUSHごときで、アンチ脱法ドラックの波にのまれてしまった、またゲイの文化が一つ失われた、残念…」と、そんな程度にしか思っておらず、RUSHで捕まった人のニュースを見てもて「ああ運が悪い人だなあ」って風だった。

自分自身、RUSHが手に入らなくなってから覚せい剤に流れたくちなんでRUSH規制にいちゃもんつけることは、今の現状を何かのせいにしてるように見られそうで嫌だった。だから「かつてのアメリカの禁酒法時代のようなことが百年後の日本で繰り返されている…人間ってバカだなあ」と厭世をきどっていた。

 

いざ参加してみて、まず被告人のヒデさんに驚いた。物腰のやさしいまっとうな人だった。セックス好きそうなイケイケのイカホモゲイを勝手にイメージしていたが全然違った。生粋のゲイである自分がこんな偏った先入観をもっているのであれば、世間からは違法薬物使用の裁判の被告ってどんな想像をされているのか…。知った気になっているって怖いなあと思った。

 

RUSHは指定薬物なのか?RUSHを指定薬物にするための協議は十分だったのか?法の執行に大きく不平等があるんじゃないのか?規制のエビデンスがないまま法による刑罰がなされるのはナンセンスである、などなど。

配布資料にあったが、「今回のRUSH裁判は単に一個人の起訴行為に対する判決を獲得するだけのものではない」とおおごとになっている。

 

同じような経験をしてきたから全面的に受け入れる素地があり、「被告である」ただそれだけの理由で肩を持ちたくなるというバイアスを差し引いても、いちいちうなずけることばかり。運の悪い人という認識が覆された。
そもそも刑罰が運の良さ悪さで決まっていいはずはない。他人事で済ましてしまっていたことを反省した。

 

覚せい剤依存症なので覚せい剤と絡めて考えてみる。

覚せい剤はなぜ、ダメぜったいなのか」「中枢神経に対して興奮作用があるとどうしてダメなのか」「そもそも中枢神経興奮作用とはどういうことなのか」「どうして絶対ダメなものに手を出してしまうのか」「それはどんな人なのか」…。全部すっ飛ばして「ダメだと決まっているからダメなんだ」「ダメなものを使うやつはダメな奴」そんな風に決めつけ、考えることをやめてしまうのは洗脳と同じだ。常識教の信者ばかりの日本では、薬物依存を抱えて生きるのはしんどい。もっとちゃんと知ってほしい、理解してほしいと叫びながら、実は自分も同じことをしてしまっていた。

「知ること」「考えること」「行動すること」、自分に何ができるだろう。こちらの話と向こうの話をつなげて考えれるようなスキルを持てるようになりたい。すぐに行動とはできないだろうけど自分の行動を変えれるような学びを一つでも得たい。

まずは3月9日の論告弁論に行ってみようと思う。