ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

ITさんへの手紙 その15

春がちらちら見え隠れする陽気の中、腕まくりを注意され傷心。
気をついているつもりはないんですがどうしてなんでしょう。
ご機嫌いかがですが。お手紙ありがとうございます。
京都いかれたんですか。雅ですね。研究発表ですか。アカデミックですね。
送っていただいた資料は検閲中のためまだ手元に届いていません。楽しみです。
ITさんの発表文もよかったら読んでみたいです。

それにしても県民健康調査の回答が刑務所から送られてきたってすごいなあ。月四回の通信の権利。その貴重な一回をそこに託す思いの強さ、濃さ…いや~すごい。中にいて刑務所に対して何かものもうそうとするのって(気持ちは理解できるけど)ほんとすごい。内容の解決うんぬんよりも誰かとつながりたいという熱がそこには大きくあるような気がしました。
自由の拘束が刑務所の基本機能だとボクは認識しているので、不都合、不具合、不愉快なことがあってもいちいち大きく反応しないようにしています。もちろん部屋に帰ってきて何なんだーって布団に作業道具を投げつけたくなるようなときもありますが、そこは忍耐、ここでの生活を居心地よくするために体も精神も最適化させまてます。
わーっと吐き出すも、ぐっとこらえるも、しーんとやり過ごすのも、適応のやり方はひとそれぞれですね。

さて、ダルクの話。ボクも保釈中どこかのnでマーシーの話を聞きました。(テレビのときよりもぽっちゃりしてたような)。ダルクはブラック企業だ(たしかにそういう面もないとはいえない)、カルト教っぽい(確かにトップを神聖化した発言もよくきく)、共有している生き方や価値観が一般社会から隔絶している(確かにスカート盗撮疑惑にコングラッチュレーションの拍手で出迎えるってのはどうなんだろうと思われるだろう)と言われ、ボクもそう思います。ただたった二か月の通所でしたがそこでうけた支援のきめ細かさとともに生きるというスタンスはこれらの風評を挽回させるに足る魅力的なものでした。
ああこれまで自分は障害者を支援するすることばかりで、共に生きてはいなかったなあ。医療も福祉も行政も薬物依存に関してはダルクだのみなところがありますし、これから薬物依存へのバッシングや同調圧力がの強い社会になればなるほどそこからはみだされた人を抵抗なくうけいれてくれるダルクの存在価値はますます高くなっていくような気がします。

さて月曜が4月の私本購入申し込みなので厳選五冊をよりすぐらなければ。二か月後に届くので6月頃の自分が読みたそうなやつってなんだろうと。カズオイシグロ川上未映子、文春も読みたいし…明日の朝刊、本よみうり堂を読んで決めます。
ITさんはどんな週末ですか。
枯れた芝生に黄色いたんぽぽが咲いています。
次の手紙では桜かな。
よい春を。

 

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