ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

親への手紙 その28

お元気ですか。
いつも手紙と本と今回はヨガのプリントもありがとうございます。

今日は矯正指導日。指導日は月二回(第二、第四金曜日)、作業ではなく教育活動が実施されます。単身者は部屋でラジオから流れる録音教材をきき、感想文を書いて提出します。今回は「児童虐待被害者の手記」と「被害者支援センターの活動説明」それに「生活健康ミニ情報」(教育テレビっぽい番組で今日のテーマは「お酒とたばこの有害性」)でした。
「受刑者の手記」だったり「職業案内」だったり、その日によって違います。…がもう一年いるんで今日のやつは去年一度聞いたものでした。累犯刑務所なんで再犯防止指導は手抜きです。社会復帰後の更生は期待されてないことがありありと伝わってきます。
午後からは一時間のDJ放送(受刑者からのリクエスト曲にこたえる番組)もあります。五か月に一度リクエストカードがまわってきます。病舎はほかの工場なんかよりも比較的競争率が低く(寝たきりで書けない人や高齢者が多いからだと思いますが)、採用されやすいらしく前回は見事リクエストが採用されました。
一般受刑者だとクラブ活動(俳句、短歌、絵画)なんかもあるらしいですが、単独室は対象ではないので指導日はほとんど読書か手紙ですね。
ちなみに集会というのは1から5まである優遇区分3以上の受刑者に区分に応じて催されます。各人の自覚を促し更生復帰のための努力を重ねるよう奨励する目的とうたわれてますが、ようはガス抜きです。区分3のボクには月一回指定日に嗜好品(お菓子とジュースもしくはコーヒー)があてがわれます。このお菓子を食べると満腹で昼食も食べ切れなくなります。(まあ決して残しませんが)。

さて3月2日の血液検査の結果が出ました。CD4は347でウイルス量は最小値とのこと。うれしいことに一気に100以上あがりました。原因不明の急上昇です。数値が停滞していた時は栄養不足なんじゃないかとか、隣のゲップがうすさいのがストレスになっているんじゃないかとか被害的になってたもんですが、状態が好転すると、そういう逆境が強くしてくれたんだろうとご都合主義に前向きです。
CD4が一番低かったとき(ちょうど保釈中)は、マンションの入り口の階段を数段上がるのもしんどくて、自分の体に重さがある事に愕然としていました。あのころに比べたら数値うんぬんでなく回復したなあと。
何だかもう治ったような話しぶりになっていますが、他の人の様子からCD4が三か月で100近く増減することはそんなに珍しいことではないようです。調子に乗らないようにしたいです。一気に100上がるってことはその逆もありえるということですし。まあ今回は結果について素直によかったなあという程度に受け止めたいです。いい報告ができてよかったです。

今週は三月の雪が降りました。さすがに積もりませんでしたが。月末でスチームは終わってしまいますが、その分日も温かくなってくるでしょう。
来月の手紙はまた月末になってしまいますがすみません。
二人ともお体に気を付けてお過ごしください。

 

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リクエストはオザケン