Ｒちゃんへの手紙 その１

拝啓　ジャンプしたらそのまま吸い込まれそうなくらいにすこんとぬけた秋空が広がっています。元気ですか。手紙をありがとう。切手も本もありがとう。
涙が出るほどうれしかったです。もちろん泣きませんでしたが。意味深にニタニタしていたかもしれません。
ボクは元気にやっています。病舎にいて元気っていうのも変でしょうが快食快眠快便、ＣＤ４も２６７ともっか上昇中。反対に外気は冷たく下がってきていうようで刑務所も冬支度です。ほんのりかび臭いかけ布団と間違いなくダニだらけの毛布三枚が配られました。ダニとベッドインというよりはダニにベッドインする覚悟の毎夜です。まあハートは強い（鈍い）んで平気で熟睡です。だけどそんな眠りの中、ドラッグドリームに遭遇することもあります。もちろん夢なので薬を打ち込んでも「超キモチイイ」ってこともなく、血沸き肉踊らず真昼の打ち上げ花火みたいに味気ないものです。針で体に穴をあけすぎたせいで決意とかやる気（やめる気？）とか大事なものが漏れ出してしまってるんでしょうか。どうにかならないだろうかこの呪われた体質。
そちらはどんな毎日ですか。転職活動は順調にいってますか。体調は？通信制限もあるのでタイムラグが出てしまい申し訳なく思っています。けど手紙うれしかったよ。正直来るとは期待していなかったから。
行先も帰る場所もない旅なら道に迷うこともないので気楽に生きてきまいた。だけど誰かが待ってくれるってのもいいもんだなあと。ありがとうね。
塀の中からだけどいつもＲちゃんの幸運と幸福を祈っています。元気で。
　　　　　　　　　敬具

気持ちいい！超きもちいい！