ある依存症者の終わらせたい日記

人生の大事なことは覚せい剤が全部教えてくれた。HIV×ゲイ×依存症×前科⇒精神保健福祉士のライセンス失効⇒最近復権。君子豹変して絶対に幸せになる。

NO DRUG警視庁

「NO DRUG池袋」という薬物防止のセミナーが池袋警察署で月に一回行なわれていることは知っていた。参加したことはなかった。

警察署があまり好きじゃないからだ。よくこんなことやってるよなあって白けてた。

警察署の前を通ると気持ちがわさわさする。きっとこの灰色の建物のどこかで留置されている人が(どんな理由であれ)辛い思いをしていると思ったら自分までしんどくなる。池袋署は通勤路だけれどわざわざ避けて通るのが習慣だった。

霊柩車を見ると親指を隠すように、朝夕の警察護送車を見かけると中の勾留者たちに親指を立て「グッドラック !」と見送っていた。心の中指では護送車に中指をたたて「フ@@ク ユー!ノーモア警視庁」だった。薄れはしたけれど今もその思いはなくならない。

どうして今日は行ってみる気になったのかはわからない。天気が良かったせいだろうか。

 

受付の警官は「みんな待ってますよ」とフレンドリーだった。セミナーは...まあこんなもんかなあ。

最後に唾液検査がある。赤いラインが三本揃えば陰性。一回目、うまく揃わなかった。二回目、一本も浮き上がらなかった。周りの空気が寒くなる。もう来たくないと正直思った。初めての参加だから検査のこと知らなくてキメてきたんじゃないのかと思われてやしないか。色々考えて気持ち悪くなった。やってないと必死になるのも不自然だし、検査キッドにキレるわけもいかないし、「なんかやですねえ〜、すみません」って悪くもないのに謝ったり。...三度目の正直でアタリ。部屋の温度が戻る。

 

とりあえず来月も来ますと言って警察署を出た。空は青かった。

 

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