居場所の力
使ってしまったと事実を語るのは容易い。
誰にも過去は変えられないから。
使いたい気持ちを正直に語るのは難しい。
誰もが未来を期待しているから。
焚き火に飛び込む虫みたいに、地獄に自ら飛び込んでしまう者を人は気味悪がる。事実にしろ気持にしろ真実は時に人を傷つける。正直がやさしくない場合もある。
いつでも誰にも嘘をつかない人間はこの世界ではただの社会性のない厄介者でしかない。
嘘をつかなくていい場所が僕には必要とされる。それがここなのだろう。
やめさせようとも思わなくていいし、やめようとも思わなくていい。気にしなくていい。謝らなくていい。感謝もしなくていい。いつでもラフでいられる寛容でほわんとした場所。そういう、何も目指さなくていられる場所が薬をやめさせてくれることがある。